2019年5月に「労働施策総合推進法」が改正され、パワーハラスメント防止措置に対する法律が整備されました。大手企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月1日からの施行とされています。

当院は中小企業の扱いとなりますので、未だ時間的には余裕がありますが、職種によるヒエラルキーが強い病院の場合、パワハラは永遠の課題とも感じます。今回の法律改正の重要なポイントを教えて下さい。

(東北地方・医療法人病院・理事・管理部長・57歳)

A.職場におけるパワーハラスメントは、「3要素を全て満たすもの」と定義されました

労働施策総合推進法の改正で、職場における「パワーハラスメント」とは、(1)優越的な関係を背景とした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるもの(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)-の三要素の全てを満たすものと、法律で初めて定義されました。

この改正では、使用者側(企業や事業主)は、労働者からパワーハラスメントの相談を受けた場合、適切な相談に応じたり、従業員に対して防止に向けての研修、啓発を行う等の体制整備等、雇用管理上、必要な措置を講じる義務が明記され、パワーハラスメントの防止措置が事業主の義務となりました。尚、2020年6月1日からの施行ですが、中小企業は2022年4月1日から義務化。それまでは努力義務となりますが、早めの対応が必要でしょう。

企業等では過去にはパワハラを受けた当事者が、労務担当者等に相談しても、逆に不利益を被るような事態も起こっていました。そうした事態が起こらないように、体制構築の義務が法律上で明記されたのが、今回の改正法の重要なポイントです。医療機関もパワハラ防止体制を構築する義務の生じるのは、一般企業と全く同じです。

(2020年3月度編集)