Q.妊産婦のマスク着用、苦しいと感じる患者へ産婦人科医院の対応は?

私は神戸市でクリニックを開業する産婦人科医です。新型コロナ禍以後、当クリニックでは妊産婦の患者様にはマスク着用を義務付けています。ただ、患者様の中には妊娠中ただでさえ身体が大変な状況にあり、マスクをすることで一層息苦しいと感じる人も多いようです。また、母体や胎児が酸素不足になるのではと心配する家族も現われています。

他の産婦人科の先生方に電話で聞くと、同様の問題が他の医療機関でも発生しているとのこと。感染防止のためには患者様へのマスク着用義務付けは正しい判断だと思いますが、苦しさを訴える患者様には、どう対処すれば良いのでしょうか?

(神戸市 産婦人科クリニック院長・52歳)

A.患者さんの状態に合わせて「(マスク着用に)可能な限り協力して頂く」姿勢で対処することが必要です。

妊産婦は陣痛を和らげるための大きな呼吸や、分娩時のいきみにより大量の飛沫が出ることから、マスクを着用していなければ感染のリスクが高くなるのは事実です。医療機関の中には例えば、大学病院等では出産前のPCR検査により、陰性であれば着用を求めない等、ケースバイケースで対応しているようです。貴クリニックでも医師や助産師、看護師等はサージカルマスクやフェイスガード等での最善の防御を前提に、患者の状態等を考慮してルールを決め、臨機応変に対応して頂くのが良いのではないかと思います。

この問題については、パーフェクトな正解はありません。また、患者さんに常日頃からマスクの必要性を丁寧に説明し、ストレスを軽減する努力を心がけて下さい。

(2020年12月度編集)

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