新しく職員を採用しました。採用時に「身元保証書」を提出してもらっていますが、そもそも必要なものなのでしょうか。

A.2020年4月1日以降、保障に関するルールが変わりました。

身元保証書は、会社と身元保証人との契約で、従業員の身元の証明や、損害が発生したときに連帯して損害賠償してもらうためのものです。ただ、最近は緊急連絡先を確認しておくため、という企業も多いようです。
法改正により2020年4月1日以降、保証に関するルールが新しくなりました。

では、どのように変更されたのか確認しましょう。

■□■極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約は無効■□■

個人が保証人になる根保証契約(※)については、保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ保証契約は無効となります。この極度額は書面等により当事者間の合意で定める必要があります。

極度額(上限額)は、「○○円」などと明瞭に定めなければなりません。
極度額を定めずに根保証契約を締結してしまうと、その契約は無効となり、保証人に対して支払を求めることができないことになるので注意が必要です。

(※)一定の範囲に属する不特定の債務について保証する契約
例えば、保証人となる時点では、現実にどれだけの債務が発生するのかがはっきりしないなど、どれだけの金額の債務を保証するのかが分からないケースのこと。

上限額については、例えば、給与から控除したら足りる程の少ない金額だと、身元保証の意味があるのかと疑問が生じますので、給与の数か月分など、支払いが可能ではあるが少なすぎない金額が妥当です。

しかし、賠償額を記載したら誰も身元保証人になってくれない可能性もあります。そのことを念頭において、今後の運用を以下のようにすることが考えられます。

(1)上限額を記載した身元保証書を使用
(2)金額を記載せず、本人と連絡がとれない時や緊急連絡のために、身元保証書ではなく確認書として使用
(3)提出を不要とする

よい機会ですので、何のために身元保証書を提出してもらっているのか考え、今後の運用を検討しましょう。

(2020年5月度編集)