10月に2020年の最低賃金が発効されたそうですが、従業員の給与が最低賃金を下回っていないか、どう確認すればいいのでしょうか。

A.給与形態によって異なります。

時給制・日給制・月給制・出来高払制その他によって、確認方法が違います。

では、それぞれの確認方法を見てみましょう。

みなさんが悩まれるのは、おそらく時給制以外の方でしょう。計算をする際に、給与支給額の全て入れてしまっていいのでしょうか。以下で確認しましょう。

(1) 時間給制:時間給≧最低賃金額(時間額)
(2) 日給制:日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、日給≧最低賃金(時間額)
(3) 月給制:月給÷1か月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
(4) 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金制:出来高払の賃金総額÷当該賃金計算期間の総労働時間数≧最低賃金額(時間額)

【最低賃金の対象となる賃金】
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。
具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。

(1) 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2) 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
(4) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5) 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6) 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

では、具体的に計算してみましょう。

【月給制の例】
基本給 月150,000円、職務手当 月30,000円、通勤手当 月5,000円支給
残業や休日出勤があれば時間外手当、休日手当支給
10月は、時間外手当35,000円支給、合計が220,000円
年間所定労働日数250日、所定労働時間1日8時間、最低賃金は時間額964円(大阪府)

【計算方法】
(1)まず、最低賃金の対象とならない賃金を除きます。除外される賃金は通勤手当、
時間外手当であり、職務手当は除外されません。
220,000円-(5,000円+35,000円)=180,000円

(2) この金額を時間額に換算し、最低賃金額と比較します。
(180,000円×12か月)÷(250日×8時間)=1,080円>964円

算出した結果、最低金額以上となっています。

最低賃金を下回っていないかどうか確認する際に、時給制の労働者ばかりに目がいきがちですが、全労働者が対象です。発効日以降の労働分について、全労働者の金額を確認するようにしましょう。

(2020年11月度編集)