私は300床を超える精神科病院を経営しています。今回、精神科診療報酬改定で新設された「精神科措置入院退院支援加算」(以下、同支援加算に略)関して、2017年9月に廃案となった「精神保健福祉法(以下、同法)」改正案と連動する内容との話を聞きました。

私は、同法改正案は精神障害者の方々の監視体制強化や、プライバシー侵害等が助長される内容として、反対した立場です。具体的に、どのような部分が生かされているのか非常に気になります。(地方都市・精神科病院 院長・74歳)

A.多くの精神科医療・福祉関係者から批判を浴びた「精神保健福祉法」改正案ですが、その内容に関しては、地域支援等に係る事柄で重要な内容も含まれていたと感じます。

同支援加算は措置入院患者に対し、「自治体と連携した退院支援を実施」した場合の評価で、退院時に600点が加算される高点数です。詳細な算定要件は診療報酬点数表を参照頂きたいと思いますが、この中にある「退院後生活環境相談員の選任」や「自治体との連携強化」、「退院後支援ニーズ・アセスメントの実施」、「退院後支援計画の策定」等は、2017年9月28日の衆議院解散・総選挙に伴って廃案となった同法改正案の中に織り込まれていた内容です。

廃案になった以上、同法が今後どうなるのかは分かりませんが、厚生労働省は「措置入院後の医療等の支援を継続的に行う」仕組み作りに関しては、その制度設計の多くの部分を生かしながら、診療報酬誘導で適切な退院支援を促していくと見られます。

全体としては、多くの精神科医療・福祉関係者から批判を浴びた同法改正案ですが、その内容に関しては、地域支援等に係る事柄で、重要な内容も含まれていたと感じます。

(2018年05月11日)