Q.2018年度診療報酬改定を受けての地域包括ケアシステムを進める病院としての最優先課題について

当院は従来、「10対1」一般病棟(43床)、回復期リハ病棟(42床)、地域包括ケア病棟(47床)からなる地域密着型病院です。実兄が理事長・院長を務め、一般企業出身で経営管理を司る私との二人三脚で、病院を運営しています。

現在、同一医療法人で介護老人保健施設や居宅・訪問看護事業所等も運営しています。 200床未満であり、在宅療養支援に注力して来たこともあって、最高ランクの「地域包括ケア病棟入院料1」の届出が可能になりそうです。ただ、43床の「急性期一般入院料」は4の届出に留まります。地域事情から増床は不可能であり、リニューアルと病床再編は終わったばかりで、現状から大きく機能を変更する意思はありません。

今改定を受けて、地域包括ケアシステムを進める病院として、地域包括ケア病棟で最優先すべき課題を教えてください。

(地方都市・在宅療養支援病院 132床 経営管理部長 常務理事・44歳)

A.地域包括ケア病棟で必要な「在宅療養支援」の更なる強化

「地域包括ケア病棟入院料1」の届出が可能になったとのこと。従来通り、在宅医療・訪問看護、介護事業等に力を注いで頂くことは言うまでもないでしょう。 それらを前提に、地域包括ケア病棟で最重視すべきなのは、自宅からの患者受け入れ機能です。

在宅復帰率は従来と同様の「70%以上」が要件ですが、従来と違うのは、療養病棟や介護老人保健施設が貴院の在宅復帰率に「在宅」としてカウントされなくなったことです。地域包括ケア病棟から、貴法人で経営する老健施設に返す流れが出来ていた場合は、それに頼らない連携先を新たに作らなければなりません。

要するに、患者の自宅や居住系介護施設(介護医療院を含む)、介護サービスを提供している有床診療所だけが在宅復帰先としてカウントされることになり、在宅復帰先に係る要件が厳しくなったのです。

更に、地域包括ケア病棟を対象にした従来の「救急・在宅等支援病床初期加算」(150点)が見直され、急性期病棟から患者を受け入れた場合の「急性期患者支援病床初期加算」(150点)と、在宅患者を受け入れた場合の「在宅患者支援病床初期加算」(300点)の2区分となり、後者に2倍の点数設定がなされました。 地域包括ケア病棟は「在宅からの患者」を積極的に受け入れ、「在宅へと帰す」役割を、従来以上に強化することが必須となります。

(2018年05月25日)

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