Q.広報関連業務の内製化にともなう広報担当職員の採用について
社会医療法人が経営主体となり、経営は徐々に改善され、現在は全床・急性期病棟で運営し、更なる急性期医療の充実に努めています。 その流れで、病棟のリニューアルや専門医の新規採用、診療科の新設等を図っていますが、新しい医療サービスの導入に合わせて新設された診療科の広報物(冊子・パンフレット等の)制作やホームページのリニューアル等に、事務職員らは忙殺されています。
私も含めて事務職は他の仕事との兼務となり、編集・制作等の仕事の経験が乏しく、業務効率も悪いように感じています。外注すると、制作物のコスト等もかかります。そのため、熟練した広報担当の職員を外部からスカウトし内製したいと考えているのですが、私たちが採用すべきなのは、どのような人材なのでしょうか。
(地方都市・社会医療法人病院(350床)事務局 次長・47歳)
A.病院・企画広報担当者としてのグラフィックデザイナーの活用
広報担当職員の人件費等が分からないので軽々には言えないのですが、現在ある情報だけで推察すると、Mac等を活用したコンピュータデザインに熟練した、企画発想力のあるグラフィックデザイナー兼プランナーとして仕事が担えるスタッフが1名いれば、多くの広報物制作やインターネット制作にかかる業務量は省力化出来ますし、外注費のコストダウンは確実に可能です。コピーライター等を採用する病院もあるのですが、広告規制のある医療機関には、コピーライターは有益な人材として生かせるかと言うと疑問です。
採用するポイントは当該人物の人柄が良く、順応性のあること。年齢的には一定の社会経験がある30歳代から40歳代位が一番、良いと思うのですが、地方では適切な人材の確保は難しいのかもしれません。地元出身で、大都市の広告代理店等に勤務し、何らかの理由で帰郷したい人を紹介や公募等で探すのが良いと思います。
筆者の知る2つの民間病院では、広告代理店の勤務経験があるグラフィックデザイナーが各々広報課のキーパーソンとして活躍しています。やはり貴病院でも良い広報物やホームページを作るには、デザインにかかるコストが外注費として一番大きいと考えます。ただ、異業種出身者を上手く活用するには、病院側の受け入れ体制や職場環境にも大きく左右されます。上
司となる管理職の方々には、バックグラウンドの異なる異業種人材を受け入れるだけの許容力が求められるのです。一般企業から良い人材を採用しても、上司が仕事の内容を十分に理解出来ず、上手く生かせないまま退職させてしまうケースも多々あるからです。
(2018年07月27日)