当院は193床からなる農村地区に在る民間病院で、病床区分としては「急性期一般入院基本料4」(40床)、介護療養病床(41床)、医療療養病床2(42床)地域包括ケア病棟2(40床)、回復期リハ病棟2(30床)からなります。この地域の高齢化率は40%を超え、医療・介護資源の乏しいへき地に近い立地環境にあるため、多様な機能を持たなければ、地域住民のニーズに対応出来ません。正直、不採算部門を多く抱える上に、医師、看護職員の確保に苦労し、全体の人件費率は高く厳しい経営内容を余儀なくされています。打開策として、療養病床(83床)を「介護医療院」に転換することを検討しています。経過措置対象である介護・医療療養病床には喀痰吸引、経管栄養、ターミナルケア等を必要とする患者の割合が極めて高く、介護療養病床は「療養機能強化型A」の区分でしたので、大きなリニューアルも必要なく、83床の「介護医療院」に転換した場合(I型‐サービス費I)が算定出来る見込みです。

介護報酬では、かなりの収益アップになることが分かりましたが、医療保険適用の病棟にも相乗効果が大きいと聞きました。具体的に教えて下さい。(地方・医療法人病院(193床)法人本部部長・48歳)

A.介護医療院に転換した場合には在宅復帰率としてカウントされる‐等メリットは多数ある。

貴院の場合は、「介護医療院」導入が経営的に大きなメリットをもたらし、苦境にある現状からの打開策になると思われます。医療保険適用病棟の診療報酬上のメリットを検証すると、まずは新設の「介護医療院」から貴院の地域包括ケア病棟に入院した患者に対し、再編・新設された「在宅患者支援病床初期加算」(300点)が算定出来ます。これは、「介護医療院」が「在宅」の扱いになるからですが、今改定からは更に地域包括ケア病棟入院料1・2に対して「在宅復帰率70%以上」が要求されるようになりました。

一方、今改定から療養病棟、介護老健施設、有床診療所等への転換が「自宅」扱いから除外されたために、貴院のようにへき地に近い環境にある病院は、新たな連携先を確保することが大変だろうと推測します。しかし、介護医療院に転換した場合には在宅復帰率としてカウントされるので、このメリットも大きいと思われます。

回復期リハ病棟に関しても入院料1~4までは「在宅復帰率70%以上」が要求されますが、同様に「介護医療院」との連携で、「70%以上」のハードルが低くなります。「介護医療院」と上手く連携しながら、貴院の地域包括ケア・回復期リハ病棟を努力して、1にランクアップするという目標に近づき易くなります。

転換後1年間は、「介護医療院」の全入院患者に算定可能な「移行定着支援加算」の算定。更に努力し高単位の「再入所時栄養連携加算」や「緊急時施設診療費」等の転換に伴い創設された新設項目を算定する患者が増加すれば、大幅な増収が期待出来ると思われます。

(2018年09月28日)