当院は近畿圏の地方都市にある、重装備な高機能総合病院です。この地域では産科・婦人科の急性期医療を担う病院が少ないことから、数年前より大学病院の医局から産科、婦人科、乳腺外科等の専門医を招聘して、乳がん、子宮体がんや子宮頸がんの外科手術を積極的に手がけるようになりました。私たちは婦人科領域で治療効果の高いとされる手術用ロボット・ダヴィンチの導入を検討しています。

設備投資が大きいとは言え、某大学病院の関係者によると、ダヴィンチを導入することにより、最先端技術に触れたい若いドクターの採用がし易くなると聞いたからです。

ところで、2018年4月の診療報酬改定では、婦人科領域の手術で、ダヴィンチの保険適用が導入されたと聞きました。具体的に、その内容を教えて下さい。(地方都市・300床超病院 社会医療法人副理事長 医師・56歳)

A.子宮体がん・子宮筋腫に保険適用されるようになりました。

これまで、婦人科領域のダヴィンチ手術は保険適用がなかったのですが、2018年4月の診療報酬改定で、従来から導入されていた前立腺がんの手術同様、子宮体がん及び子宮筋腫にも保険適用が認められました。これは画期的で、近い将来、同じ流れで子宮頸がんにも保険の適用が実現する可能性があります。

ただ、ダヴィンチ導入には1台約3億円のコストがかかるとされ、更に年間、メンテナンスに年間、約3千万円の費用がかかるとされています。そのため今回、子宮体がんや子宮筋腫に保険が適用されたとは言え、過大な設備投資が回収できるわけはありません。ただ、保険適用がなかった時よりも患者さんは、当該疾患のダヴィンチ手術を受け易くなったのは事実です。良性・悪性を問わず子宮全摘を適応とされる全疾患が保険適用となりダヴィンチ手術の対象になれば、婦人科領域のダヴィンチ手術は一気に普及する可能性は高くなります。貴院のような高機能病院は導入された方が得策なのは間違いありません。ただ、民間病院である貴院にとって、病院経営面でそれだけの先行投資が出来るのかどうかは、慎重に検討する必要があります。

婦人科領域のダヴィンチ手術の有効性と安全性は、数多くの臨床データで既に立証されています。

(2018年11月29日)