10月27日に京都で開催された全国病院広報研究大会(NPO法人日本HIS研究センター主催)で、京都大学大学院・医学研究科教授の中山健夫先生から、HPH(ヘルスプロモーティングホスピタル・健康増進活動拠点病院)と言う聞き慣れない病院の類型についてお話がありました。

地域住民のヘルス・プロモーション(健康増進)を支援する病院として、日本でも幾つか存在する施設のようですが、がん診療拠点病院のように国が指定する病院類型なのでしょうか?(地方都市・社会医療法人病院 広報部長・47歳)

A.制度として位置づけられたものではなく、地域住民のヘルスプロモーション(健康増進)を支援する病院としてWHO(世界保健機関)が推奨する国際的な病院やヘルスサービスのネットワークです。

国や厚生労働省が制度化し、認定する病院群ではありません。日本HPHネットワークによると日本では95の医療機関や団体等が加盟し、その内訳は病院54施設、クリニック13施設、薬局11施設、研究機関・ヘルスサービス事業所17となっています。

歴史としては、1986年のオタワ憲章をきっかけに、1988年にHPHの初期の概念が形づくられ、1990年から国際的なネットワークが構築されました。2008年からHPH憲章が制定され、その年に日本では福岡の千鳥橋病院が加盟したのがわが国の第一号です。日本HPHネットワークでは国際カンファレンスや国内でのセミナー、研究事業等、多彩な活動を行っています。

基本コンセプトである「健康な街づくり」を目標にしていますが、これは国の進める「地域包括ケアシステムの構築」に相通じるものですし、薬局の参加も「健康サポート薬局」の概念に近い役割を目指していると考えます。HPHで重視するのは当該医療機関職員のケアであり、「病院はスタッフや家族を健康にすることが、地域における健康社会実現に繋がる」との概念は、正に「健康経営」にも直結します。HPHは国が認定する仕組みではありませんが、国の医療・福祉政策を先取りしている部分も少なくないのです。

(2018年12月26日)