Q.困難を極める中小民間病院における看護助手の新規採用、具体的な解決法は?

当院では看護師の負担を軽減する看護補助者(看護助手)を数多く採用したいと考えておりますが、その人たちの新規採用には大変、苦労しています。看護師や理学療法士等の専門の資格職よりも、困難を極める状況です。

現実に当院のホームページに求人情報を掲載してもほとんど反応がありませんし、紹介会社を使っても成果が乏しいのです。病院組織全体のパワーバランスから、「医療の主役」ではない看護助手の給与を極端に高くすることは不可能です。良い方法があれば教えて下さい。

(大阪市・医療法人病院(130床)・人事部長・48歳)

A.業務内容の明記や変形労働時間、外国人労働者を導入、介護人材を採用する

貴病院に限らず都市部の看護助手は慢性的な人手不足で、働く側からは企業の採用環境が改善してきたことから、無資格者である看護補助者の新規採用に苦労する中小民間病院が後を絶ちません。

逆に資格職を増やすと人件費率は当然、高騰しますから中小病院の経営は圧迫されるというジレンマに陥っています。また、無資格の看護助手の募集においては求人マーケットが病院近隣に限定されがちなこと。“看護助手・看護補助者募集”という求人情報には、一般の主婦らからは「身体介護=重労働」のイメージがあり、敬遠される傾向があるようです。

筆者の知るいくつかの病院の取り組みから、手立てを考えてみましょう。 まず、ホームページの求人情報や新聞チラシの求人広告、紹介会社等に提供する求人情報に「身体介護等の負担の重い業務はありません」等の一文を入れることです。 そして、看護助手の変形労働時間の導入です。

例えば、午前中の「1時間半から2時間程度の配膳業務のみ」といった極端な時短勤務や、午前中、午後のみ勤務等、柔軟な働き方を導入し、パート看護助手を多数採用すること。こうした多様な働き方によって、子育て中の主婦等も応募しやすくなります。 この他、外国人労働者の導入も一考です。京都市内の中小病院は、病棟の看護助手を全て20歳代~30歳代の若い中国人女性(正職員)に切り替えました。彼女たちは京都の大学等を卒業し、日本での就職を希望する若者ですが、入院患者には大変好評です。

介護施設と比較すると、病院の場合は外国人材の導入に遅れていますが、看護補助者から始めてみてはいかがでしょうか?
また、一部の看護助手に介護福祉士や、ホームヘルパー2級取得者ら、介護人材を導入することも一つの方法です。患者の排せつ援助・身の回り援助等は、介護職に任せ、ベッドメーキング等身体介助に係らない看護助手らと、タスクシェアリングをするのです。

それにより、看護補助業務の効率化が図れると思います。 介護福祉士らの資格職を看護助手に活用することに抵抗する看護師もいるかもしれませんが、その辺りはコンセンサスを取りながら進めることが大事です。

(2019年6月4日)

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