Q.「在宅緩和ケア充実診療所」を届出するには?

当クリニックは3年前に開業し、在宅療養支援診療所を届出しました。医師は私1人ですが、往診・訪問診療に力を注いでいます。共に働く妻が看護師であり、もう1名在籍する看護師と共に昨年から、訪問看護を行うようになりました。近い将来、医療法人化し妻をキーパーソンにして、訪問看護ステーションを開設する予定です。

私は前職の公的病院勤務時代に緩和ケア医療に関与していた経験があり、訪問看護と連携し、在宅がん患者の終末期医療や、在宅緩和ケアにも携わってみたいと考えています。それは、国の政策によりがん患者の長期入院が難しくなり、在宅移行を進める中で、在宅がん患者の支援まで可能な診療所が、地域に少ないという事情もあります。

そうした役割を果たしていくために、「在宅緩和ケア充実診療所」の届出を検討しているのですが、当クリニックのような小規模診療所でも可能なのでしょうか?

(地方都市:在宅療養支援診療所・院長・45歳)

A. クリニックの大小は届出では問われませんが、厳しい基準と実績が必要となります。

2016年の診療報酬改定で新設された「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」を届出した診療所を「在宅緩和ケア充実診療所」と呼ぶようになりましたが、クリニックの規模の大小は届出には問われません。

ただ、加算のカバーする領域が「ターミナルケア加算」、「在宅がん医療総合診療料」、「在宅時医学総合管理料」、「緊急・夜間・休日または深夜往診」等、非常に幅広い領域にわたることから届出のハードルが高く、現状でも、充実診療所の数はわが国でも、“少数精鋭”に留まっています。

届出の前提条件として、「機能強化型」在宅療養支援診療所であること。貴クリニックが「機能強化型」在支診でなければ、要件を満たすよう努力し、まずは「機能強化型」を届出する必要があります。

加えて、過去1年間の「緊急往診実績15件以上・在宅看取り実績20件以上」、過去1年間で「末期がん患者であって経口投与では疼痛改善が難しい場合、オピオイド系鎮痛薬の患者、かつ、自己注射指導の実施実績が2件以上」。更に、過去に「同注射を5件以上実施した経験のある常勤医の配置と、適切な方法によるオピオイド系鎮痛薬を投与した実績が、過去1年間で10件以上」。

この他、「がん性疼痛緩和指導管理料の施設基準に定める緩和ケア研修を修了した常勤医の在籍」、「緩和ケア病棟または在宅での看取り実績が10件以上の医療機関で、3か月以上の勤務歴のある常勤医師の在籍」等が施設基準となります。

要するに、緊急性往診・在宅看取りだけでなく貴クリニックの緩和ケア・疼痛管理の実績や先生ご自身のがん患者への緩和ケア・疼痛管理への実績が、必要になります。

貴クリニックは在宅がん患者の終末期医療や緩和ケア医療に、これから取り組んでいかれるとの話しなので、恐らく現段階では「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」届出は難しいと想定します。
ただ、今後、在宅緩和ケア医療に積極的に取り組んで頂き、実績を作っていけば、届出も可能になると思います。

(2019年5度編集)