厚生労働省の「地域医療構想に関するWG(ワーキング・グループ)」では、公立・公的医療機関が担う機能を地域内の民間医療機関が代替できないのかを、診療実績等の指標を用いて分析する方針を打ち出しています。それに関連して、脳卒中診療(脳梗塞、脳出血等)について病床機能報告で、新しい報告項目が増えるとの話を耳にしました。当病院は脳卒中治療に特色を打ち出している病院であり、非常に気になっています。

(地方都市・公立総合病院・事務長・54歳)

A.tPA投与の実施件数について報告が義務づけられることになりそうです。

ご指摘については、厚生労働省の地域医療構想に関するWGでは病床機能報告で「脳梗塞に対してtPAの投与を実施した件数についても、報告を求めることとしては?」との案が示されており、近い将来、病床機能報告制度での報告が求められることになりそうです。これに関しては、従来から「超急性期脳卒中加算」のレセプト件数の報告が義務付けられていましたが、「超急性期の脳梗塞に対しtPAを投与した治療を行っていても、同加算の算定要件を満たすことができない民間医療機関等が多いことから、脳梗塞治療に対する超急性期の対応の実態把握としては不十分である」と考えられたからです。

深読みをすると厚生労働省は、tPA治療に注力する民間医療機関に今後、脳梗塞治療を代替させる意図が読み取れます。これにはもちろん、tPA治療が近年、中小民間病院に定着してきた背景もありますが、公立病院・公的病院の再編・統合の問題とも関連していると思われます。2020年に予定される次回診療報酬改定では、「超急性期脳卒中加算」がtPA治療を実施している民間病院等でも算定しやすい方向に、要件緩和されることも予想されます。

(2019年10月度編集)