Q.「地域包括ケアシステム構築」に向けて届出により病床設置・増床が可能となる有床診の機能とは?

「地域包括ケアシステム」構築に向けて、2018年4月より特例として病床設置が届出により可能な診療所の範囲が見直されるという話です。具体的には都道府県知事が都道府県医療審議会の意見を聴いた上で、医療法(第30条の7第2項第2号)に掲げる医療の提供の推進のために必要な機能を有していることが条件と聞きました。どのような機能を持っていれば「特例」として認められることになるのでしょうか?

また、条件を満たしていれば、一般病床だけでなく療養病床の設置も可能になるのですか?

(九州地方・医療法人理事長・診療所院長・55歳)

A.特例が適用されるには、いくつかの機能を有していることが要件となります。

特例が適用されるには①と②の2つの要件があり、①はアからキまでの機能を有していること。

ア.在宅療養支援診療所の機能(訪問診療の実施)
イ.急変時の入院患者の受け入れ機能(年間6件以上)
ウ.患者からの電話等による問い合わせに対し、常時対応できる機能
エ.他の急性期医療を担う病院の一般病棟からの受け入れを行う機能(入院患者の1割以上)
オ.当該診療所内において看取りを行う機能
カ.全身麻酔、脊椎麻酔、硬膜外麻酔または伝達麻酔(手術を実施した場合に限る)を実施する(分娩において実施する場合を除く)機能(年間30件以上)
キ.病院からの早期退院患者の在宅・介護施設への受け渡し機能

②は都道府県知事が、都道府県医療審議会の意見を聴いて、へき地の医療、小児医療、周産期医療、救急医療その他の地域において良質かつ適切な医療が提供されるために必要な診療所として認めるもの。

①と②のいずれも都道府県医療審議会の意見を聴いた上で、更に地域医療構想調整会議での説明が不可欠です。①②のいずれにおいても一般病床だけでなく、療養病床であっても届出による設置または増床は可能になります。

(2020年3月度編集)

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