Q.「認知症ケア加算3」で求められる看護師3名の配置要件の緩和策とは?
当院は、リハビリテーションに特色を打ち出し、回復期リハ病棟、急性期一般病棟(同入院料4)、地域包括ケア病棟等を有するケアミックス型の病院です。従来、「認知症ケア加算2」を算定しており、2020年度改定で中間的評価の同加算2が新設されたことから、ランク的には3に移行しましたが、実質的には同様の取り扱いとなり、報酬は10点のアップですので、収入増が期待出来ます。
しかし、要件にある「適切な認知症研修」を受講した看護師が、私以外に1名しか在籍していません。
2020年度改定の「認知症ケア加算3」の要件では、「適切な認知症研修を受けた3名以上の看護師配置」と厳格化されたこともあり、数名の看護師に、県の看護協会が開催する認知症対応力向上研修を受講させたいと思っています。
マンパワーに余裕のない中小病院だけに、外部研修へ複数の看護師を派遣するのが、なかなか大変な実状がありますが、「認知症ケア加算3」で求められる看護師3名の配置要件の緩和策を教えてください。
(近畿地方 医療法人病院(199床)副看護部長・日本看護協会 認知症認定ナース・43歳)
A.当該研修を受けた3名以上の看護師配置が必要なものの「3名のうち1名は当該研修を受けた看護師の行う認知症看護に係る院内研修を受けていれば良い」と緩和されました。
外部研修ではなく院内研修でも良く、認知症認定ナースの資格を持つ副看護部長さんが講師となり、院内研修を行って、それを受講した看護師でも人員配置要件として認められます。そのため、外部の研修会に看護師を派遣しなくても、貴院で認知症の院内研修を行えば3の要件はクリア出来ます。
ご指摘のように2020年度改定から、「認知症看護経験5年以上」の看護師が医師に代わって認知症ケアチームを主導することが可能な「認知症ケア加算2」が新設され、「入院14日以内は100点」の高評価です。
貴院で同加算3から2へのランクアップを目指されるのであれば、複数名の看護師に看護協会等の行う認知症研修を、今から受講させておくことは適切な選択となります。
(2020年5月度編集)