Q.オンライン診療の実施方法・対象疾患の見直しとへき地や医療資源の少ない地域に限定した規制緩和とは?

当クリニックは一般内科、外科、リハビリテーション科を標榜する無床診療所です。高齢患者の中には通院が困難な方も増えてきたことから、ご家族の支援が得られる方を対象に、オンライン診療を実験的に導入すべく準備を進めています。2020 年度診療報酬改定では、オンライン診療に係る診療報酬要件の見直し等は行われたのでしょうか?

(京都市 クリニック院長・49 歳)

A.オンライン診療の実施方法や対象疾患等の要件に、一部見直しが行われました。

オンライン診療料等の算定が可能なのは、「特定疾患療養管理料」、「小児科療養指導料」、「難病外来指導管理料」等を算定する「初診から6 カ月以上が経過した患者」に限定されていました。要するに慢性疾患及び難病、神経難病等の患者に限られていましたが、2020 年度改定から「対象疾患に慢性頭痛が追加」されたのです。

慢性頭痛患者は「事前の対面診療、CT またはMRI 及び血液検査等を行った上で、一次性頭痛であると診断され、症状等は安定していても痛み等で定期的な通院が難しい」ケースに限定して、オンライン診療の提供が可能になりました。更に、前述の「初診から6 カ月以上」というルールは、「初診から3 カ月以上」ルールに改正。

また、患者が速やかに受診可能な医療機関で対面診療を受け易くするために、「当該患者に予め受診可能な医療機関で、対面診療を受け易いように、診療計画に記載する」ことも要件として追加されました。

この他、「へき地や医療資源の少ない地域に属する医療機関」を対象に、「やむを得ない事情により二次医療圏内の他の医療機関の医師が、初診からオンライン診療を行う場合もオンライン診療を認める」と規制緩和されました。加えて、「当該地域の医療機関の医師が継続的に対面診療を行った」場合、「他の医療機関でのオンライン診療を認める」とまで踏み込んだ要件緩和が導入されたのです。

つまり、へき地や医療資源の少ない地域に限定して、一定の条件付きで、「他の医師との連携」によるオンライン診療が認められる改正が行われたわけです。へき地等でのオンライン診療の普及を見据えた行政のメッセージと理解できます。

(2020 年5 月度編集)

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