開業して3 年目を迎えます。これまで患者数が増えている手応えがあったのですが、最近は伸び悩んでいます。開業当初のプランでは、3 年目にもなれば、スタッフの増員や最新設備の導入などができると思い描いていましたが、横ばい状態から抜け出せません。集患のために何かできることはないでしょうか。

A.クリニックをとりまく外部要因と内部要因を整理し、具体的な対策を打ち出していきましょう。

当初は順調に増加していた患者数も、どこかのタイミングで停滞するのは珍しいことではありません。
しかし、診療所に余力があるにもかかわらず、横ばい状態から抜け出せないのであれば、集患のために何ができるのか考えてみる必要があるでしょう。今回は、外部要因と内部要因に着目したいと思います。

クリニックを取り巻く外部要因

外部要因は、マーケット分析とも言えます。例えば、次のような検討が考えられます。

【診察時間】
高齢者が多い地域ならば、高齢者の生活スタイルに合わせて、早めの診察開始時間にすることが考えられます。通勤・通学者が多い駅周辺であれば、午後の診察開始時間を遅めにし、夜間に対応できるようにする。ビジネス街ならば、会社の休憩時間内に診察できるよう、午前の診察時間を長めに設定する。診療所の診察時間は、患者さんにとってはかなり重要なファクターになっています。

【交通アクセス】
車で来院する患者さんが多ければ、十分な駐車場の確保をしたいものです。仮に開院時には駐車スペースが足りない場合も、徐々に近隣のコインパーキングと提携して駐車スペースを増やされているケースもあります。

このように外部要因は、まずは患者さんに来院していただくために、与えられた条件にどう合わせていけるかということが問われてきます。

クリニックを取り巻く内部要因

一方、内部要因は、主に来院された患者さんの満足度アップの対応です。

【接遇品質】
スタッフの接遇品質はいかがでしょうか。受付のスタッフは笑顔で挨拶されていますか?今は、クリニック名を検索すると、ロコミもあわせて表示されます。顔が見えない電話での応対も笑顔でされていますか?

【待ち時間】
小児科クリニックなど、ネットでの予約システムを導入されているケースも増えてきました。高齢者が多い地域では難しいかもしれませんが、アナログであっても待ち時間を減らす工夫が必要です。

【待合室】
待合室も度患者さんの目線で座ってみると、思わぬ発見があるものです。雑誌や漫画は頻繁に変えないとたちまち古びてしまい逆効果ですし、診療科によってはキッズスペースが不可欠です。待合室での過ごし方が負担にならないような工夫が求められます。

【機器・設備投資】
高額な医療機器への投資は頻繁にはないと思いますが、毎年予算を設定して小さな投資をすると決めておられる診療所もあります。年に一度でも小さなニュースがあると、患者さんの会話の材料(ロコミ)になるということです。

【スタッフとの関係】
院長はスタッフに対してどのような対応をされていますか?院長とスタッフの関係が良好でないと、患者さんにもすぐに伝わります。スタッフの気持ちには揺れ動きがあるものです。どんなに忙しくてもチームのマネジメントが後回しにならないよう、定期的に面談を行うなど仕組みにしていく必要があるでしょう。

【患者さん対応】
患者さんへの接し方は人柄ではなく「技術」です。スタッフも交えて他業種に学ぶ機会をつくるなど、技術を高めるための工夫の仕方はいろいろあるでしょう。

クリニックをとりまく「外部要因」と「内部要因」。具体的に取り組めることは沢山あると思われます。

(2020 年5 月度編集)