4月17日に実施された安倍総理の記者会見で、「診療報酬を倍増する」との発言があり、同日の中医協会のホームページを見たところ重症の新型コロナウイルス感染症患者の受け入れに対応した場合、「救命救急入院料1・2」、「特定集中治療室管理料1・3」、「ハイケアユニット入院医療管理料 入院料1・2」に関して、「倍額相当」の診療報酬が算定可能なことが発表されています。

当院は救命救急センター、ICU、HCU等の設備を備えており、感染管理に熟練した医師、看護師等も複数在籍することから、対応は可能と思われますが、この他にもコロナ感染患者を対象とする当該診療報酬算定に必要な要件はあるのでしょうか?

(政令指定都市 社会医療法人理事 高度急性期病院(300床以上) 副院長・52歳)

A.人工呼吸器やECMOによる管理等を要する患者等が対象になります。

中医協の資料によると「ECMO(体外式心肺補助)や人工呼吸器(持続陽圧呼吸法〈CRAP等を含む〉)による管理等、呼吸器を中心とした多臓器不全に対する管理を要する患者への診療」の評価とされています。要するに、人工呼吸器やECMOによる管理等を要する患者等が対象になるわけです。

人工呼吸器を必要とする患者は、当該「救命救急入院料」、「特定集中治療室管理料」、「ハイケアユニット入院医療管理料」は現行の「2倍相当」の報酬を算定可能になりました。

「ECMO」を必要とする状態の患者は35日間を上限に、「急性血液浄化(腹膜透析を除く)を必要な状態」、「急性呼吸窮迫症候群」または「心筋炎・心筋症」の何れかに該当する患者は21日間を上限に、「倍額相当」の診療報酬を算定できます。

しかし、「倍額相当」とは言え、院内感染のリスクが想定されることから、万全の安全管理体制を備えなくてはならないこと。室内消毒徹底のための消毒用資材・作業員の確保、感染管理認定看護師の増員やICU、HCU等における感染防止マニュアルに則った厳格な運用等、スタッフの作業量は増え、現行より多くのマンパワーが必要になることも予想されます。

病院はICU、HCU一部病棟を、新型コロナウイルス感染症専用の病棟として位置づける位の覚悟が要るのかもしれません。診療報酬が倍増するとは言え、現在のICU、HCUの機能や、地域の他の病院との連携体制等も踏まえて、慎重に検討していただくことが必要です。

(2020年5月度編集)