当クリニックでは、オンライン診療の導入に向けて準備を進めています。2020年度改定からオンライン診療の対象となる患者が、従来であれば、「初診から6か月を過ぎた患者」に限定されていたのが、3か月に緩和されたことで、生活習慣病患者の割合が高い当クリニックは導入が進めやすくなったと考えています。

ただ、今回より対象疾患に「慢性頭痛」が追加されたのは気になります。私は脳神経内科・外科が専門ではないので、オンライン診療を行った直後に、患者が急性の脳梗塞、または脳出血を発症したりするケース等があるのではないかと考えてしまいます。こうした脳疾患は、日常的に症状がなくとも軽い頭痛から発症することもありますが、オンライン診療だけの診察では、医療事故のリスクを不安視されないのでしょうか。

(横浜市 一般内科クリニック院長・54歳)

A.今改定の対象患者はCTまたはMRI検査に加えて、血液学的検査を行って一次性頭痛と診断された患者に限定されます。

確かに2020年改定より「オンライン診療料」を算定する対象患者に「慢性頭痛」が追加されました。その対象は「事前の対面診療、CT撮影またはMRI撮影及び血液学的検査等の「必要な検査を行った上で、一次性頭痛であると診断され、病状や治療内容が安定しているが慢性的な痛みにより日常生活に支障をきたすため、定期的な通院が必要な患者」と規定されています。

要するに、CTまたはMRI検査に加えて、血液学的検査を行って一次性頭痛と診断された患者に限定されます。このルールを順守すると同時に、「脳神経外科もしくは脳神経内科の経験を5年以上要する医師」あるいは「慢性頭痛のオンライン診療に係る適切な研修を受けた医師」が行うと明記されています。

このように、「頭痛」患者のオンライン診療を実施可能な医師は、かなり厳格に限定されるのです。定期的な通院が必要な「頭痛」患者でも、これらの条件を満たして運用されていれば、医療事故は起こらないとの厚生労働省の判断でしょう。基本的には、MRIを導入している脳外科クリニック等は、進めやすい環境にあると考えられます。

(2020年6月度編集)