当院は回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、療養病棟からなる主に脳神経血管障害の患者のリハビリを中心に、高齢の慢性期や亜急性期の入院医療等を担う病院です。介護医療院や介護老健施設等の介護保険施設は運営しておらず、他の施設との連携により対応しています。

2020年度診療報酬改定で新設された「せん妄ハイリスク患者ケア加算」(100点)に関心を持っています。当院ではせん妄の症状を訴える入院患者の多いことから、医療現場では早い段階でせん妄のリスクをスクリーニングし、病棟スタッフが一丸となり、せん妄対策に取り組むことが本当に大事と感じるからです。

私たちのような慢性期の高齢患者を扱う病院程、せん妄対策は重要と思われますが、「認知症ケア加算」と同様に、私たちのような機能の病院でも算定は可能なのでしょうか?

(北海道 医療法人病院(160床) 看護部長 理事・66歳)

A. 「せん妄ハイリスク患者ケア加算」が算定可能なのは、重症患者の急性期入院医療を担う病棟のみです。

結論から言うと、「せん妄ハイリスク患者ケア加算」算定が可能なのは、「一般病棟入院基本料」、「特定機能病院入院基本料」、「特定集中治療室管理料」、「ハイケアユニット入院医療管理料」、「脳卒中ケアユニット入院医療管理料」を届出する病棟に限定されます。

要するに、重症患者の急性期入院医療を担う病棟だけが対象で、「認知症ケア加算」のように回復期や慢性期、亜急性期の病棟等にも扉が開かれているわけではありません。従って、現状では貴院の届出はできません。

ご指摘のように、せん妄は急性期病棟に留まらず、療養病棟等に入院する高齢患者等にも頻発する症状です。せん妄は死亡率や認知症発症リスク上昇等の多くの有害事象発生が、専門家からも指摘されてきました。

どのような機能の医療機関においても、早期からのせん妄予防の取り組みが必要なことは言うまでもありません。同加算の要件にある「せん妄のリスク因子確認のためのチェックリスト作成」は、現状でも実施していただきたいと思います。断言はできませんが、2022年以降の診療報酬改定で、同加算算定病棟の急性期病棟以外への対象拡大が実現することも予想されます。

(2020年6月度編集)