当院は現在、同一医療圏にあり、施設が老朽化し、後継者のいない100床程の病院のM&Aを検討しています。当院は高度急性期医療を担う総合病院ですが、合併予定の病院機能は回復期リハ病棟と地域包括ケア病棟が主体で、現在進行中の当院の移転・リニューアルに合わせて両施設を合体し、新病院として船出する計画です。

ところが、2020年の診療報酬改定から、許可病床「400床以上」の病院は、「地域包括ケア病棟を新たに届け出ができない」との見直しが行われました。合併すると当院は400床を超えます。医業収益を考えると400床以下にダウンサイジングするつもりもありません。

今回のM&Aで地域包括ケア病棟を導入することにより、患者の一般病棟からの在宅復帰を、より円滑に進め易くなると期待していました。地域包括ケア病棟を導入出来ないのであれば、当法人が描いていた戦略の見直しが迫られます。

(東海地方 社会医療法人病院(300床以上) 理事・総務部長・52歳)

A.一定の条件を満たせば、1病棟に限り、例外として新規届出が認められます。

その理由として厚生労働省は「2025年に向けた地域医療構想の実現」に向け、各地域における医療機能の分化・連携を進めるに当たって、「地域包括ケア病棟の届出が出来ないことから、医療提供体制の見直しが妨げられる可能性が危惧されるため」としています。

届出に当たっては(1)複数の病院の再編・統合を伴う医療提供体制の見直しであること(2)再編・統合対象となる病院のいずれかが地域包括ケア病棟を有していること(3)地域医療構想調整会議において、再編・統合後の病院が引き続き地域包括ケア病棟を有する必要があると合意を得ていること―が条件です。

貴院が前述の病院を吸収合併し、400床以上規模になった場合、地域医療構想調整会議での合意を得られれば、地域包括ケア病棟の届出が認められることになります。但し認められるのは1病棟に限定されており、吸収する病院が2病棟以上、地域包括ケア病棟を運営していた場合は、1病棟を除き地域包括ケア病棟以外の病床に転換する等の新たな再編が必要になります。

(2020年8月度編集)