私たちの病院に一般病床はありません。地域包括ケア病棟、療養病棟の占める割合が高く、慢性期の入院患者が多くを占めるケアミックス型の中小病院です。外来患者数も少なく、人口減少地域でもあるので、あえて増やす予定もありません。今後の懸念となるのは45床残っている介護療養病棟で、病院長は近いうちにリニューアルして当該病棟を介護医療院に転換する予定です。

ところで、介護医療院は生活施設と位置づけられていることから、「地域と交流する活動」の実施が求められています。そもそも、慢性期の長期入院中心の患者を対象に長く運営してきたので、介護医療院に移行後、地域交流活動をどのように展開すれば良いのかが分かりません。他の介護医療院では、どのような活動を行っているのかを教えて下さい。

(中部地方医療法人病院(180床) 看護部長兼管理部長理事・52歳)

A.国による明確な定義はありませんが、2017年「介護医療院の創設経緯と将来展望」の中に「出来る限り地域に開かれた施設を目指し、地域交流やボランティアの受け入れを積極的に取り組むことが方策となる」とされています。

歓迎される取り組みとして、「地域住民向けの介護者教室の開催、住民の集いとなるサロンや認知症カフェの設置、町内会や老人クラブへの出前講座、民生委員と連携した地域づくりに資する活動、ボランティアの受け入れ等」に言及されています。

これまで慢性期の入院医療を主体とされてきただけに、こうした取り組みを初めて行うのに、不安があるのは当然でしょう。厚生労働省の調査でも介護医療院に移行前と移行後を比較して、「地域に貢献する活動」の実施件数が増加したのは36.1%の施設に過ぎません。どの施設でも限られた資源の中で、試行錯誤しながら進めているのです。

具体的には介護医療院への移行を機に定期的にボランティアの協力によるイベント(手品ー音楽会・舞踊)や、カラオケ・ゲーム等のレクリエーションを開催する施設が増えています。とはいえ、国が推奨する認知症カフェや交流サロンの設置等は、施設スペースやマンパワー等が新たに必要になることから、一朝一夕にはいかないようです。

先駆的な例としては、介護医療院が地元企業等と協力してCSR活動を展開する事例等も報告されています。例えば、文化支援、環境保護、学童支援等がそれに当ります。前例もありますが、貴院の栄養士や調理師等が協力し、地域のボランティアと協力して「こども食堂」を開設すること等も地域に貢献する活動として、受け入れ易いのかもしれません。「地域交流活動」に定型はなく各施設が地域住民の声を聴きながら、独自に特色ある活動を進めて頂ければ良いのではないかと思います。

いずれにせよ、貴院で委員会等を作り、皆でアイデアを出して出来る範囲内のことを、こつこつと進めていきましょう。これもチーム医療の一つと考えて下さい。また、介護医療院開設に伴う施設リニューアルの際には、地域交流に使えるスペースの確保等も前提にプランを検討して下さい。

(2020年11月度編集)