野村総研の「人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業」では、AIやロボットの普及が進んでも、10年~20年後に生き残る職業の考え方として、
・芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業
・他者との協調や他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業
は、人工知能等での代替は難しい傾向がある、としています。

◆クラーク(医師事務作業補助者)は生き残る仕事

その定義で医療の世界を考えると、診療現場では医師や看護師など、直接診療行為に携わっているスタッフは、サービス志向性が高いため残る可能性が高いことが分かります。一方で、いわゆるバックオフィス業務はどんどんAIやロボットに置き換わっていくのではないでしょうか。

現在注目されている「医療クラーク」や「ベシュライバー」という仕事は、医師と協調し、患者の様態を理解して、電子カルテに代行入力する業務であり、医療事務よりもサービス志向性が高いために、生き残っていく仕事と言えるのではないでしょうか。

◆時代の変化に対応するために、新たな業務にチャレンジする

医療以外の分野でも、受付や会計の業務が実際に消滅してしまっていることが分かります。
たとえば、駅で切符を切る光景はなくなりました。切符を購入するのも自動発券機にほとんど移りました。飲食店では、iPadなどのタブレットで直接注文することが多くなってきています。ホテルの会計も自動精算機の普及が着実に増えています。

自らの周囲の変化をみれば、今はその職業があっても10年後にはなくなっているという感覚が分かるのではないでしょうか。「あの時、未来の変化に向けて勉強しておけばよかった」とならないように、例えば、これからの職種である「クラーク」という仕事にチャレンジしてはどうかと思います。

◆間接業務から直接業務へ

長らく、医師や看護師を支えてきた医療事務という仕事は、特殊な業務であると位置づけられ、資格を取ることで手に職がつけられると、人気の職種でした。しかし、徐々にコンピュータ化が進むことで特殊性は減少して行き、技術の希少性がなくなりつつあります。

AIやロボットが普及しても、継続して医療の現場で働いていくためには、できるだけ直接診療の現場に入る仕事に移る必要があるのです。診療チームの一員として、医療事務が今後も輝いていくためには、受付から診察室へポジションを変え、診療に参加できるクラークになることをおすすめします。

(2019年3月26日)