医療IT最前線 第65回 遠隔(オンライン)診療が変える医療の未来

インターネットは新しいライフスタイルを創出する

インターネットの普及は、新しいライフスタイルを創り出します。「そんなこと、今さら何を言ってるんだ?」と言われるかもしれませんが、今こそ、インターネットによる変革を考えてみたいのです。

現在、IT(Information Technology)という言葉は、ICT(Information & Communication Technology)に変わり、IoT(Internet of Things)という言葉が、最近では流行り始めています。いま様々な機器が、インターネットにつながる時代を迎え、かつてIT革命とモテはやされた時代以上に、大きな変革を迎えようとしています。 私たちはインターネットにつながる端末があれば、どこでもショッピングができ、学校の授業も受けることができます。地図も電車の時刻表も持ち歩かなくても良くなりました。

そして医療サービスでさえも、ネットを介して受けることが可能になろうとしているのです。

医療業界のITとは?

医療の世界で「IT」というと、レセコンや電子カルテといったシステムの導入が真っ先に思い浮かびます。これらのシステムは、従来の業務をコンピュータに置き換えることで、「医療事務業務の効率化(自動化)」と「カルテの情報共有」を実現しました。

しかしながら、そもそもの診療スタイル自体の変革にはあまり影響をもたらしていませんでした。

遠隔診療の実質解禁

2015年の通知により、実質解禁された「遠隔診療」は、インターネットによる診察を可能にしました。これはIT機器の活用によって、診療スタイルそのものに、変革をもたらそうとする試みです。 遠隔診療では、インターネットにつながる端末があれば、どこでも医師の診察を受けることが可能になります。2018年4月の診療報酬改定で、「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」が新設され、正式に診療報酬というメニューに加えられました。

遠隔診療のメリット

遠隔診療は、患者の移動をともなわず、待ち時間もありません。検査デバイスの発展により、診察、検査、処方が家に居ながらにして可能になるのです。しかも、決済はカードでできますから、後で医療費の支払いに行く必要も、振込む必要もないのです。

また、現在、処方せんは印刷して郵送で患者さん宅に送る形式ですが、処方せんの電子化が進むことで、処方せんですらスマホに送られる時代がくるのです。現在、処方せんの電子化は各地で実験稼働が行わられ、法的整備が進められています。近い将来、処方せんが電子化される方向で進められています。

遠隔診療が医療機関選択のポイントに

この新しい変化が進めば、患者さんの医療機関選択が一気に進む可能性があります。今でも、診療予約システムを導入している医療機関の方が患者さんは利便性が高いと考え、患者さんは医療機関選定のポイントの一つとして考えられています。

(2019年4月22日)

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