2018年度の介護報酬改定では、「多様な人材の確保と生産性の向上」という項目の中で、人材の有効活用や機能分化とともに、ロボット技術等を用いた介護スタッフの負担軽減、各種基準の緩和等を通じた効率化を推進するとしています。

ちなみに、ロボットという用語の定義は、情報を感知し(センサー系)、判断し(知能・制御系)、動作する(駆動系)、3つの要素技術を有する知能化した機械システムのことです。

介護ロボット(見守り機器)の活用を、2018年度改定で評価

特別養護老人ホームおよび短期入所生活介護の夜勤について、スタッフの負担軽減、業務の効率化等を図る観点から、見守り機器の導入により効果的に介護が提供できる場合の評価が行われました。

具体的には、従来の夜勤職員配置加算の「夜勤時間帯の夜勤職員数は、夜勤職員の最低基準+1名分の人員を多く配置していること」という要件を見直し、見守り機器を導入した場合は、「夜勤時間帯の夜勤職員数は、夜勤職員の最低基準+0.9名分の人員を多く配置している」と0.1名分の要件緩和が行われました。

また、見守り機器の設置基準としては、①入所者の動向を検知できる見守り機器を入所者数の15%以上に設置していること、②施設内に見守り機器を安全かつ有効に活用するための委員会を設置し、必要な検討等が行われていること、の2つの要件が定められています。今回の内容により、人間が行ってきた夜間の見守りをロボットに任せることで、少ない人数で加算が算定出来ることになりました。

これまでは、医療でも介護でも基準より多いスタッフを配置した場合に、サービスレベルが向上することから、「人員増に対する加算評価」がされてきました。しかし、今回の評価は本来ヒトが行う部分をロボットが代行することで同等の効果がある場合を評価するものですから、人員配置の評価からシステム(ロボット)投資による評価に変わる契機なったのではないかと考えます。

ICTを活用したリハビリテーション会議への参加

現在、医療と介護の連携の観点から、リハビリテーションについては急性期ならびに回復期を医療が担い、維持期を介護が担うという役割分担がすすめられています。それに伴い、医療と介護のスムーズな情報連携が図れるようにと、リハビリテーション会議が行われています。

「リハビリテーションマネジメント加算(II)」を算定するためには、医師が利用者又はその家族に対し、リハビリテーション計画の内容等について、リハビリテーション会議で説明し、同意を得ることが必要です。しかしながら、日々忙しい医師が同会議に出席することが困難なことや、医師からの説明時間が確保できないことから、この加算を算定できないという意見がありました。

そこで、2018年度改定では、医師の参加について、従来の一堂に集合しての対面から、「テレビ電話等(携帯電話でのテレビ電話も含む)」での参加を認めました。この見直しにより、同加算が算定しやすくなるとともに、同会議が積極的に行われるようになることで、医療と介護の間のスムーズな情報連携が行われることが期待されています。

補助金の活用

介護の現場で実際にロボット技術を導入するのには、高額な投資が必要となります。そこで、今回のような介護報酬での評価はもちろんのこと、補助金等での資金確保・負担軽減も重要です。

厚生労働省では、地域医療介護総合確保基金において、介護施設等の実情に応じて策定する介護従事者負担軽減のための介護ロボット導入計画の実現のために、そこで使用される介護ロボットであり、先駆的な取組により介護従事者が被介護者に提供する介護業務の負担軽減や効率化に資するものを対象に導入を支援しています。補助額は、1機器につき補助額30万円で、60万円未満のものは価格の半額が上限となります。このような補助金を利用して介護の現場でロボット技術が導入されることが期待されています。

(2019年4月23日)