医療IT最前線 第75回 働き方改革に合わせたクラークの採用(後編)

新規にクラークを採用する際、どのようなことに注意が必要でしょうか。実際に行われている採用方法をご紹介します。

新規のスタッフをクラークとして採用する場合は、採用の時から工夫が必要です。クラークは医師と患者の診察を聞きながら、見ながら、カルテに文字を起こす作業が主たる業務になります。そのため、ある程度パソコンのスキルが高くなければ務まりません。 また、多くの情報から、カルテに簡潔明瞭にまとめる力が求められますので、その部分も採用時にチェックしたいところです。

チェックの際に、私が行っているのはパソコンの「タイピングテスト」と「ショートスピーチ」です。

タイピングテストとショートスピーチ

タイピングは、3分間に300文字打てれば充分でしょう。早く打つよりもミスタイプの少ない方を選んでいます。診察内容を打つには最低限、これくらいのスピードがないとついていけません。耳から入る情報を文字にすることは、思いのほか難しいのです。

ショートスピーチについては、「仕事上大切にしていること」「最近あった幸せな出来事」といったお題を出題し、1分間の短いスピーチを披露してもらいます。この際、短い時間で自分の意見を効率よく相手に伝えることが可能かを確認しています。言葉を短く簡潔に話せる方は、クラークに向いています。

新規スタッフのトレーニング方法

新規のスタッフは医療事務経験のあるなしが重要です。経験がない場合は、保険の仕組み、診療報酬の仕組みから始める必要があります。いきなり、カルテを書かせても分かるはずがありません。

一方、経験者であれば、いきなりカルテを書く方法を教えます。経過欄とオーダー欄の入力方法を説明していきます。 ここで注意点ですが、既存スタッフとの大きな違いは、新規スタッフは医師の考え方や、診療の特徴、話し方の癖、薬の出し方、全体の流れなどが分かりません。そのため、一定期間は受付や看護助手としてトレーニングをして、職場に慣れてからクラークの研修を始めていただいています。

(2019年8月28日)

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