奥さんが来月出産予定の男性従業員から、育児休業を取得したいと言われました。男性でも育児休業を取得できるのでしょうか。

A.育児休業は条件さえ満たせば、誰でも取得することができます。

育児休業を取得できる要件は以下のとおりです。

■原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者
■期間を定めて雇用される者は、次のいずれにも該当すること
(1)同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
(2)子が1歳6ヶ月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

上記の条件さえ満たせば

  • 男女に関係なく取得できます。
  • 妻が専業主婦であっても、夫は取得できます。
  • 妻が育児休業中であっても、夫は取得できます。
  • 有期契約社員(例えば1年契約を更新している人など)も条件を満たせば取得できます。

育児休業は育児・介護休業法で定められており、会社に制度がなくても(就業規則等に規定がなくても)、一定の要件を満たした場合は育児休業を取得できます。育児・介護休業法の要件を満たした従業員から育児休業の申し出があった場合、会社がこれを拒むことはできません。仕事が非常に忙しかったり、経営上の理由があったとしても、育児休業を認めなければなりません。

また、育児休業を申し出たことや、取得したことを理由として、解雇などの不利益な取扱いをすることも禁止されています。

育児休業制度での男女の違いは、休業開始可能日です。

男性は、赤ちゃんが生まれた日から育児休業を取得することが可能ですが、出産した女性は、産後8週間は「産後休業」となり、育児休業を続けて取得する場合、産後休業終了後からのスタートになります。また、育休取得回数は、特別の事情がない限り一人の子について一回と定められていますが、男性には特例があり、「妻の産後8週間以内に夫が育休を取得する」と男性は2回に分けて育児休業を取得することができます(パパ休暇)。

また、夫婦ともに育児休業を取得すると、ふたりで同時に取得する場合も交代で取得する場合も「パパ・ママ育休プラス」という特例の対象になった場合は、休業期間をこどもが1歳2ヶ月になるまで延ばすことができます。

※夫・妻がそれぞれ取得できる休業(妻は産後休業期間含む)の上限は1年間です。

パパ・ママ育休プラスの特例の要件は以下のとおりです。

■育児休業を取得しようとする労働者(本人)の配偶者が、子の1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)以前において育児休業をしていること
■本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
■本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日以降であること

2018年の男性の育児休業取得率は6.16%(※)で、6年連続で上昇しています。政府は、男性の育児休業取得率を2020年までに13%に上げることなどを目標に掲げており、今後さらに取得者が増えることが予想されます。

既に子育てが落ち着いた世代から見ると「男が育児休業なんて」と思うかもしれませんが、世の中の流れは確実に変化しています。いざ男性従業員から「育児休業を取得したい」と申し出をされた時にあわてないよう、制度の確認と、休業中の業務の割り振りなどができる体制を組み立てておきましょう。

(※)厚生労働省「平成30年度雇用均等基本調査」より

(2019年9月度編集)