従業員より母親を扶養に入れられるかを聞かれました。父親が亡くなり一人暮らしをしている母親がいるそうです。収入は年金のみで150万円、年齢は70歳だそうですが、扶養に入れることはできるでしょうか?

A.要件を満たせば、扶養に入れることは可能です。

扶養に入れるにはいくつかの要件があります。続柄の要件、収入要件、同一世帯の条件などです。

まずは「被扶養者」の範囲を確認しましょう。

■同居している必要がない者
・配偶者 ・子、孫および兄弟姉妹 ・父母、祖父母などの直系尊属
■同居していることが必要な者
・上記以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
・内縁関係の配偶者の父母および子

上記にあてはまる親族であることが確認できたら、その他の要件を確認しましょう。

被扶養者に該当する条件は、被保険者により主として生計を維持されていること及び次のいずれにも該当することです。

(1)収入要件
年間収入130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は年間収入※180万円未満)かつ
   ・同居の場合:収入が扶養者の収入の半分未満
   ・別居の場合:収入が扶養者からの仕送額未満
※年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。(給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること。)
また、被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます。

(2)同一世帯の条件配偶者、直系尊属、子、孫、兄弟姉妹以外の3親等内の親族は同一世帯であること

(3)年齢要件75歳未満であること(75歳以降は後期高齢者医療制度の被保険者になります。)

質問の対象者は(2)(3)の要件は満たしています。では(1)はどうでしょうか。「年間収入180万円未満」は満たしていますが、別居ですので母親の年金収入150万円を超える額(月額12.5万円超)を仕送りする必要があります。申請の際は、仕送りの事実が確認できる書類(預金通帳等の写し)も添付しなければなりませんので、毎月手渡しするのではなく、口座振込するように伝えましょう。また、扶養の要件を満たさなくなった(就職・結婚・収入増加など)場合は、すぐに従業員から連絡をもらい、扶養削除の申請をするようにしましょう。

健康保険の被扶養者資格については、毎年秋頃、全国健康保険協会より「被扶養者状況リスト」が事業主宛に送られ、被扶養者が条件を満たしているかの確認を行います。(2019年は9月下旬から10下旬にかけて送られました。)万が一手続を忘れていた場合も、リストが送られてきたタイミングできちんと扶養から外すようにしておくことが大切です。

(2019年12月度編集)