職員より季節性インフルエンザに感染したので休むと連絡がありました。有給休暇が残っているようですし、給与計算の締めも迫っているので、こちらで有休処理して問題ないでしょうか?

また他の職員への感染予防のために解熱後2日は休んでほしいのですが、それは可能でしょうか?

A.休業手当を支払わなければならない可能性があります。

まずは有給休暇についてですが、有給休暇は本人の請求により与えるものなので、事業主が勤怠処理で勝手に有休消化したり、有給休暇を取得するよう指示したりすることはできません。

2019年4月から始まった、年次有給休暇を年5日取得させる義務についても、時季指定にあたっては労働者の意見を聴取し、できる限り労働者の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重するよう努めなければなりません。(既に5日以上の年次有給休暇を請求・取得している労働者に対しては、時季指定をする必要はなく、また、することもできません。)

■勤怠処理について

特に本人からの有給休暇の申出がなければ、欠勤扱いということになるでしょうが、給与計算の都合上はっきりさせたい場合は、本人に直接確認するといいでしょう。

■事業主から出勤停止を指示した場合

上記の有給休暇や欠勤といった勤怠処理の回答は、あくまでも本人が自主的に休むと言ってきた場合です。では、本人に働く意思があるにもかかわらず事業主側から強制的に「解熱後2日は出勤停止」とした場合はどうなるのでしょうか?

新型インフルエンザに感染した場合は、労働安全衛生法その他の定めにより就業禁止とされていますが、季節性インフルエンザは就業禁止疾患に該当しません。したがって今回のケースでは出勤停止の指示は可能ですが、事業主都合による休業となり、休業手当(平均賃金の60%)を支払うことになります。

とは言え、他の職員への感染を心配されるのであれば、出勤については医師と相談した上で、どれくらい休むべきか話し合ってもらうようにしましょう。

産業医その他専門の医師が労務不能と判断したことによる休みについては、一般的に事業主都合ではないと考えられ、休業手当は発生しません。

また、医師が労務不能と判断した場合、健康保険に加入していて要件を満たせば「傷病手当金」の請求が可能です。

(2020年3月度編集)