Q.職場で新型コロナウイルスに感染したら労災になりますか。
医療従事者です。職場で新型コロナウイルスに感染したのか、プライベートで感染したのか証明が難しいと思うのですが、労災認定されるのでしょうか。
A.業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合、労災保険給付の対象になります。
2020年4月28日、労災補償の考え方について、当分の間、調査により感染経路が特定されなくとも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合には、これに該当するものとして、労災保険給付の対象とすることとされました。
医療従事者等について
患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となる。
医療従事者等以外の労働者について
◆感染経路が特定された場合
感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、労災保険給付の対象となる。
◆感染経路が特定されない場合
→感染リスクが相対的に高いと考えられる下記(ア)(イ)のような環境下で業務に従事していた労働者が感染したときは、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められるか否かを、個々の事案に即して適切に判断する。
この際、新型コロナウイルスの潜伏期間内の業務従事状況、一般生活状況等を調査した上で、医学専門家の意見も踏まえて判断する。
(ア)複数(労災補償申請者を含む)の感染者が確認された労働環境下での業務
(イ)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務
海外出張労働者について
出張先国が多数の本感染症の発生国であるとして、明らかに高い感染リスクを有すると客観的に認められる場合には、出張業務に内在する危険が具現化したものか否かを、個々の事案に即して判断する。
海外派遣特別加入者
国内労働者に準じて判断する。
※海外派遣者の労災保険特別加入
→転勤などで海外の事業場に派遣された場合、通常、派遣先の国の災害補償制度の対象となるが、外国の制度の適用範囲や給付内容が必ずしも十分でない場合もあることから、海外派遣者についても特別加入すれば労災保険の給付が受けられる制度
(2020年7月度編集)