Q.地域包括ケアシステムを担う有床診の「医療・介護併用モデル」とは?

私は高齢化、人口減少が進む地方都市の有床診療所(19床)で、院長を務めています。厚生労働省では有床診療 所の医療・介護併用モデルという仕組みの運用を進めていくと聞いていますが、具体的には有床診療所にどのよう な役割を期待しているのでしょうか?

(地方都市・有床診療所院長・56歳)

A.複数の介護サービス等を組み合わせた有床診療所の地域包括ケアモデルです。

これは、2018年度診療報酬改定の誘導策として示されたもので、具体例としては有床診療所(または無床診療所) が「短期入所療養介護」、「看護小規模多機能型居宅介護」、「介護医療院」等の複数の介護サービス等の組み合わ せにより、地域包括ケアシステムにおいて有床診療所の担うべきモデルを示したものです。

一つの例として診療所における「短期入所療養介護」は、「医療法上の病床により提供されるものであるため、有床 診療所との組み合わせで提供する」としたり、「看護小規模多機能型居宅介護」は、「施設の空床を一部、宿泊室に 転換し、通所・宿泊・訪問(看護・介護)を医療機関併設の介護サービスとして提供する」等の多様なサービスの組み 合わせが示されたりしています。

そして、2018年度診療報酬改定では、有床診療所がこれらのサービスを実施しやすいように、現行の「有床診療所 入院基本料1~3」の要件を緩和。1介護サービスを実施している2在宅療養中の患者への支援に対する実績、専 門医療等の実施に関する実績、急性期病院からの患者の受け入れに関する実績、医療機関の体制等に係る10の 施設基準のうち、2つ以上に該当すること―のいずれかに該当すれば、算定できるように改正されました。 加えて「介護サービスを提供している有床診療所について、高齢患者等に対する入院受け入れに係る評価」として 「介護連携加算1・2」が新設されたことも見逃せません。

これらの診療報酬誘導を徐々に拡充しながら、厚生労働省 は地域包括ケアシステム推進において、有床診療所の参加を促していくことになります。

(2019年8度編集)

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