当院は内科、整形外科、リハビリテーション科を標榜。私と妻が各々、整形外科、内科を専門とするドクターで、二診体制で運営する無床診療所です。1日平均、外来患者数は80名以上、看護師、事務職を中心とする職員数も10名(パートも含む)を超えるようになりました。
政策的に、国が今後、医療機関の受診抑制を進めるのは避けられず、診療所経営はこれから、ますます厳しくなっていくことが予想されます。そうした環境下で、患者と直接に接する職員に対して、コミュニケーションや接遇サービス能力を磨く研修を積極的に行っていきたいと考えています。外部講師を招くにしても、私たちとしては初めての試みであり、どのように進めて良いのか分かりません。小規模診療所の場合、どのような研修を行えば良いのでしょうか?
また、研修以外にも職員のモラールアップを図る方法があれば、教えて下さい。

(兵庫県・医療法人理事長・診療所院長・53歳)

A.職員の接遇・コミュニケーション能力向上には小グループ・全員参加型の研修が効果的

5名から10名位の小グループによる研修が効果的です。貴院の場合は10名程の職員ということなので、2つのグループに分けて、院長や副院長も参加して頂ければ、職員の緊張感は増します。診療所のパート事務職員等は、概し参加意識に乏しいので、トップが率先して参加する姿勢を示すと、職員の意識は特段に変わります。

JAPAN SIQ協会のインストラクター・谷洋子さんは、「小グループによる全員参加型研修は職員が向き合って、表情や言葉や態度を示し、相互に改善点を指摘し合うことで、コミュニケーション・スキル向上に非常に効果があります」と語っています。実際に谷さんの研修に参加した診療所の若いパート事務職員からは、「ロールプレイングに参加するのは初めての経験で、非常に新鮮でした」との声が多く聞かれました。

この他、他の医療機関の事例等を挙げると、「スマイル・コンテスト」のような形で、患者さんからの投票により好印象を与えた職員を表彰する試みはサービス向上と、コミュニケーション能力のスキルアップの両面から、効果的と思われます。患者さんから評価を受けることで、職員のやる気が向上します。

そして最も大事なこととして、院長先生ら診療所のリーダーは勇気と愛情を持って、職員を誉めたり注意したり、叱ったりすることが大切です。患者さんとのコミュニケーション能力向上には「感性」が必要ですが、リーダーも誉めたり、注意したり叱ったりすることへの「感性」が大事になります。

(2019年12月度編集)