Q.新型コロナ災禍での時限的措置、初診の電話・オンライン診療で“なりすまし”や虚偽申告を防止する手段と は?
当クリニックでは、既にオンライン診療を行うための情報通信機器を導入し、希望される一部の患者を対象に1 年ほど前から、テレビ電話を利用したオンライン診療を実施しています。ところが、今回の新型コロナウイルス感染症への対策として、初診からの電話やオンラインによる診療の容認される方向性が打ち出されました。
初診で過去に受診歴のない患者を電話等で診療を行うとなると、通常の外来窓口での本人確認が出来ないことから、患者のなりすましや、虚偽申告による処方等が不安視されます。例えば、患者を装った悪質なグループ等が、処方薬の横流しを企むような事態が起こりかねないからです。医療現場で、どのように対処したら良いのかを教えて下さい。
(東京都 一般内科クリニック 院長・45 歳)
例えば、テレビ電話を用いて診療を行う場合、患者に対し被保険者証により受給資格を、医師については顔写 真付きの身分証明書による本人確認を相互に行うことが求められます。
電話で診療を行う場合、当該患者の被保険者証の写しをFAX にて医療機関に送付してもらいます。また、被保険者証を撮影した電子データを電子メールに添付し、医療機関に送付する等の受給資格の確認を行う作業が求められます。この方法による本人確認の難しい場合は、電話による氏名、生年月日、連絡先(電話番号、住所、勤務先等)に加えて、保険者名、保険者番号、記号、番号等の被保険者証の券面記載事項を確認することにより診療を行っても差し支えありません。
虚偽申告による処方が疑われる場合には、その旨を都道府県に報告することが義務づけられています。時限的対応とは言え、初診の電話診療は患者・医療機関双方に、煩雑な事務作業が発生してしまうことが予想されます。
(2020 年5 月度編集)