ネットニュースを見て、外来版「地域医療構想・機能報告制度」との見出しが登場したのには驚きました。地域医医療構想はそもそも、都道府県ごとに入院医療資源をコントロールしようとする国の施策と認識しているのですが、それが小規模診療所等の外来診療にも適用されるということでしょうか?

もちろん、わが国の国民1人当たりの医療機関の外来受診回数が諸外国と比較して飛び抜けて高いのは理解しており、選定療養費等により一定規模以上の急性期病院の外来受診抑制を促す施策は対象範囲が拡大されてきました。しかし、国が進めようとする地域包括ケアシステムにおいて「かかりつけ医」機能を担う診療所の外来を抑制するのは“本末転倒”であり、憤りを感じます。「機能報告制度」で求められる「医療資源を重点的に活用する外来」の意味と、診療所の外来も報告の対象になるのか教えてください。

(神奈川県 医療法人立診療所 院長 理事長・62歳)

A.現状の議論では厚生労働省への「機能報告」の対象となるのは「病床を持つ医療機関」に限定され、基本的に病院を対象とする考えを示されています。

そもそも「外来診療の機能分化と連携」を進める視点からスタートし「医療資源を重点的に活用する外来」を制度として定着させることを目指しているのです。

厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」において議論されてきたもので2014年から実施されてきた「病床機能報告制度」と同様の報告制度を、外来においても実施するとの考え方に基づいています。「外来診療の機能分化と連携」を進める視点からスタートし、「医療資源を重点的に活用する外来」を制度として定着させることを目指しているのです。

当該議論では重点資源活用の外来は、(1)医療資源を重点的に活用する入院前後の外来(2)高額等の医療機器・設備を必要とする外来(3)特定の領域に特化した知見を有する医師・医療人材を必要とする外来――と3類型に分類されています。これら3類型は近い将来、診療報酬と連動していくことが想定されており、厚生労働省は今後、「医療資源を重点的に活用する」外来診療と、一般内科を中心とする「かかりつけ医」が行う外来診療の診療報酬を分類し、制度設計を行っていくことが示唆されています。

ご指摘のように将来、国が都道府県ごとに外来医療費をコントロールしていく流れは間違いないでしょう。その背景にあるのは、個々の外来診療の内容を整理して機能分化を実現し、引いては医療費の削減に繋げるのが目的です。

しかし、前述の検討会の議論は前進しているものの、「医療資源を重点的に活用する外来」機能の位置づけには各委員から、多様な意見や疑問の声も出てきており、一筋縄にはいかず時間がかかりそうです。それは、各地域の実情に応じて、外来診療の求められる役割が極めて多様であり、類型化の難しいのが大きな理由です。

現状の議論では厚生労働省への「機能報告」の対象となるのは「病床を持つ医療機関」に限定され、基本的に病院を対象とし、有床診療所等は任意の報告に留まると予想されます。

(2020年7月度編集)