医療の現場ではパソコンが追い付かない
医療の現場では、他の業界に比べて、パソコンが苦手なスタッフが多いようです。その理由は、1人1台パソコンがない環境で長らく仕事をしてきたことが、まず第一に挙げられます。2つ目は、日々の忙しい業務の中でパソコンを悠長に触るようなことが難しかったのです。
それはつまり、医療業界では従来のパソコンのスピードでは到底追いつかないような迅速な意思決定、業務提供が必要なためです。付け加えるならば、医療現場の業務フローを十分に理解しないままシステム設計が行われており、そのため、細部で様々な不具合が起きているように感じます。医療の現場とシステムエンジニアの間のコミュニケーションが十分でなかったように感じます。
電子カルテの普及で、紙からパソコンへのシフトは避けては通れない
パソコンが苦手はキーボード入力が苦手
端末が変われば、リテラシー問題も解決
2010年に医療現場でピッタリな端末が発売開始されました。みなさんご存知のiPadです。それ以来、このタブレットと呼ばれる端末はAppleだけでなく、様々なパソコンメーカーがこぞって発売しています。
これらの端末は、入力を省スペースそして指をインタフェースにしていますので、医療の現場では非常に向いていると言えます。バイタル程度であればパソコンが苦手でも利用ができます。ここが重要なのです。ITリテラシーが高くなくても使える端末とは、(1)キーボードレス、マウスレス(2)マニュアルレス(3)究極の直感性‐この3つが伴っていれば、誰でも使用できるのです。テレビや洗濯機は誰でも使えます(最近は機能が増えすぎていますが・・・)。これらの家電のような考え方が医療の現場で求められているのです。
将来的にはキーボードとマウスは必要なくなるが
では、パソコンが苦手なスタッフにどのように教育を行っていくかという問題は、これまで話してきたように、端末を変えるだけで解決してしまうのです。システムを構築する際に、「本当にその業務にキーボードやマウスが必要ですか」この質問を常に考えて欲しいのです。
ただ、まったくキーボードとマウスが必要なくなるのは少し先の社会です。いまのところ、どの電子カルテもキーボードとマウスをインタフェースとして採用しています。つまり、しばらくの間はパソコンのマスターは必要となるのです。
(2018年08月22日)
