レセコンから電子カルテへ

クリニックにおけるコンピュータの活用は、1970年代に生まれたレセプトコンピュータ(以下、レセコン)にさかのぼります。当時は、レセプト(診療報酬明細書)は手書きであり、非常に煩雑な業務でした。それが、レセコンの出現により診療報酬の算定、請求する仕組みが一気に効率化されました。レセコンは請求事務業務の効率化のために生まれました。

一方、1990年代に入り、電子カルテはレセコンの診療支援機能として誕生しました。このころから発生源入力という考え方が生まれ、カルテとレセプトを同時並行で作成するシステムとして電子カルテが診療所のICT化の中心となりました。そのような流れの元、1999年にカルテの電子化が法的にも認められるようになりました。

その後2000年代に入り、電子カルテとレセコンを一体化したシステムも誕生しました。電子カルテは、「レセコンのオプションシステム」として、「電子カルテとレセコンのオールインワンシステム」として、二つの流れのもとに進化していきました。

ORCAの誕生で新しい時代に

2002年頃日本医師会の日医標準レセプトソフト(ORCA)が誕生したことで、新たな電子カルテの潮流が誕生しました。レセコンがオープンリソースの考えのもと、無償提供が行われることで、電子カルテのみを開発するメーカーが多数誕生したのです。そして、ORCA連動型電子カルテという新たなジャンルが生まれたのです。

2018年現在では、もともとレセコンメーカーが開発した電子カルテ、電子カルテとレセコンのオールインワン電子カルテ、そしてORCA連動型電子カルテという3つの軸が存在し、40社を超えるメーカーがシェア争いをしています。

クラウド型電子カルテの出現

2010年に医療分野でクラウドコンピューティングが解禁され、それを契機にクラウド型電子カルテが出現しました。出現当初は価格も高く、セキュリティ面や安定性という観点から、様子見の診療所が多くあり、クラウドタイプの電子カルテは敬遠されがちでした。

しかしながら2018年現在では、在宅分野でのクラウド利用が活発したことや、安価なクラウド型電子カルテが生まれたことで注目されてきています。今後はシェア上位メーカーのクラウド型電子カルテが予定されており、その流れに拍車がかかることが予想されます。

 

(2019年2月25日)