医療IT最前線 第69回 自動精算機の導入で生産性向上

生産性の向上が課題

わが国では少子高齢化が急速に進む中で、深刻な人手不足が顕在化しつつあります。このような労働人口の減少を受けて「働き方改革」そして「生産性の向上」が直近の日本の課題となっています。

生産性とは?

この場合の「生産性」とは、生み出された成果(アウトプット)に対して、その成果物を生み出すために投入された資源量(インプット)の比率のことを指します。つまり、投入資源から生まれる価値を、いかに効率よく高めていくかが問題になります。

医療の世界では

医療の世界でも、生産性の向上は重要なテーマと考えられています。医療機関のコスト構成を考えると、人件費が5割~6割に上り、大きな比率を占めています。医療における生産性向上とは、「限られた人数(人件費)で、多くの患者を診療することができるか」を考えることが重要になります。

様々な業種で受付に人を見かけなくなった

この10年間著しく人がいなくなった部門があります。それは、「受付」です。たとえば、駅の自動券売機や銀行のATM、そしてラーメン屋の食券機と、どんどん受付はヒトからコンピュータに変わってきています。また、レジスターの進化も著しく、「レジ打ち」という仕事はほぼなくなりました。商品の代金を預かり、それをレジに投入すれば自動で釣銭が出てくるようになっているのです。

自動精算機の導入で人数を減らすことができる

医療の世界でも、自動精算機が導入されるようになりました。当初は価格が高額であったことから、大規模病院から順番に設置が始まりましたが、いまでは、自動精算機の普及に伴い価格が安くなったこと、受付スタッフの採用が難しくなってきたことなどを受けて、病院だけではなく、診療所にも設置されるケースが見られるようになりました。

かつて、電子カルテを導入すると受付のスタッフは減りますかという質問をよく受けました。それに対しては、「業務は減りますが、人数自体は減りません」と答えていたのですが、いまでは「電子カルテと自動精算機を導入されれば確実に、人数が減ります」と答えています。

(2019年6月10日)

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