医療IT最前線 第81回 クリニック経営における「マーケティング」と「マネージメント」(2)

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医療IT最前線 第81回 クリニック経営における「マーケティング」と「マネージメント」(1)
https://carnas.njc.co.jp/ganmoku/a-040-med-it-clinic-marketing-and-management/

理念やクレドを掲げる

前回の続きですが、ネットやスマホの普及に伴いホームページが大切になっています。また、最近ではホームページ上に、クリニックの考え方(大切にしていること)を伝えるために、「理念」や「クレド」を掲載するクリニックも増えてきました。

公共性・社会性が強いクリニックにとって、理念やクレドを作り、掲げる(伝える)ことで、患者からの支持を集める活動が大切だと感じているのでしょう。

待てない現代人

忙しい現代人は、待ち時間を嫌う傾向にあります。“時は金なり”が進み過ぎて、待てない人が増えているのです。また、レストランやホテル、電車、飛行機などは、予約して利用するのが当り前になりました。クリニックでもこの傾向が確実に訪れており、時間予約システムや順番管理システムを導入するクリニックが増えています。

患者をマネージメントする時代

患者が増えてくると、クリニックは新たな悩みが発生します。それは「待ち時間」の問題です。クリニックはだいたい1日に診られる患者数の上限は決まっています。これは診療科や医師の診療スピード、スタッフの配置などで決まります。

例えば、患者数の上限を超えて患者が来た場合、待ち時間は増加し、診療がどんどん遅れていき、最終的には終わりの時間を延長するしかありません。理想を言えば、毎日同じ人数の患者が来てくれればいいのですが、そういうわけにはいきません。

その対策として、ホームページ上に待ち人数を表示したり、順番が近づくと連絡が来たりするシステムを取り入れることで、患者集中を分散させる(平準化させる)仕組みの導入が始まっています。

これらの患者を平準化する取組を時に「患者マネージメント」と呼ぶこともあります。

マネージメントとは何か?

マネージメントは、一般的に「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を管理することが主たる役割です。そのうち、クリニックにとっては「ヒトのマネージメント」が特に重要です。

「ヒト」とは「患者」と「スタッフ」です。患者マネージメントは、1日に診療できる上限の患者数にいかに近づけるかということであり、スタッフマネージメントは、1日に必要な最低限の人員配置に近づけることになります。このバランスが大切なのです。

スタッフマネージメントとはオペレーションの効率化

「適切な人員配置」は、クリニックの状況によって大きく異なります。来院患者数やシステム、設備、診察室数、スタッフの熟練度によって差が出てきます。これらを十分に理解して、適切な人員配置を行うことは、診療所のオペレーションをいかに効率化するかという問題となります。

コストの観点から言えば、コストの高い順から、医師、看護師、コメディカル、医療事務の順で、最近はこれに「AI・ロボット」が加わろうとしています。最もコストが高い医師の業務を医療事務にタスクシフトする試みや、医療事務の業務をロボットに代行させることは、働き方改革の中で「効率的なスタッフマネージメント」を求める流れと言えるでしょう。

(2019年11月19日)

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