残業を減らすためには

現在、少子高齢化の影響から人手不足が深刻になりつつあり、今後さらに生産人口の減少が予想されています。そのような状況を受けて、政府は「働き方改革」を急ピッチに進めています。政府が進める働き方改革では、残業短縮、有給休暇の消化など、労働環境での整備が進められています。

いざ「残業」を減らそうとしても、すぐに減るものではありません。もし急に減ったならば、それはこれまで仕事を引き延ばしていたこととなります。残業の減少は結果であって、手段としての「生産性向上」が必要なのです。

診療報酬でのタスクシフティングの評価

医療機関の生産性向上の取り組みとして、①タスクシフティング②ICTの活用が有効であるとされています。この流れは2020年に予定される「診療報酬改定」でも踏襲されると予想します。

現場では、医師の事務業務を医師事務作業補助者(医療クラーク)に、看護師のケア業務の一部を看護助手に移行する動きが進められています。診療報酬でもタスクシフティングを支援する観点から、加算が設けられています。

医療クラークの配置を評価した点数である「医師事務作業補助体制加算」は10年前の2008年に新設されました。改定ごとに点数の引き上げや対象範囲の拡大などもあり、順調に算定医療機関が増えています。いまでは病院の1/3に当たる約2,800件の病院で導入されています。

病院では、医師の隣に事務スタッフが配置される体制が一般的になりつつあると言えるでしょう。診療所では現在同加算が算定できないため、医療クラークの配置が進んでいるとは言い難いのが現状です。

医療クラーク配置の効果

実際のところ、医療クラークの配置は医師の負担軽減に効果があるのでしょうか。そこで、外来に医療クラークが配置された場合の効果を考えてみましょう。

医療クラークは主に電子カルテを操作し、医療文書の作成、カルテの代行入力を行います。時には医師に変わって患者さんの状況確認をすることもあるでしょう。また、事務の強みである「診療報酬点数の知識」を生かして、算定漏れの防止にも有効に作用します。

医療クラークの守備範囲が広がれば広がるほど、医師業務のタスクシフティングが進みますから、現状業務に満足せずに、医師はどんどん業務移譲を進めていくと良いでしょう。

大西 大輔