医療情報化支援基金の創設

現在、電子カルテの普及状況は、大規模、中規模病院の普及は進み、残すところは診療所と199床以下の小規模病院となっています。そのような電子カルテの普及状況を踏まえて、政府は、「オンライン資格確認」や「電子カルテ等の普及」のために医療情報化支援基金を設立し、2019年度の予算で300億円を計上しました。

基金の設立趣旨

同基金の設立の趣旨として、「技術革新が進む中で、医療分野においてもICTを積極的に活用し、効率的かつ質の高い医療提供体制を構築していくことが急務である。このため、2019年度において、医療情報化支援基金創設し、医療分野におけるICT化を支援する」としています。

対象事業

対象事業としては、以下の2点となります。

(1)オンライン資格確認の導入に向けた医療機関・薬局のシステム整備の支援
同事業は、具体的に「オンライン資格確認を円滑に導入するため、保険医療機関・薬局での初期導入経費(システム整備・改修等)を補助」とされていますから、「資格確認リーダー」などを導入する仕組みを全国の医療機関、薬局に配布するための費用と想定されます。

これが全国に広がることで、医療機関では保険証の間違いがなくなり、返戻や未収がなくなることで、チェックする側の審査支払機関、提出する側の医療機関の事務作業が大きく減少することになります。

(2)電子カルテの標準化に向けた医療機関の電子カルテシステム等導入の支援
同事業は、具体的に「国の指定する標準規格を用いて相互に連携可能な電子カルテシステム等を導入する医療機関での初期費用を補助」とされており、まずは電子カルテの標準規格を定め、それに準拠した電子カルテについては、
補助するという流れになります。

今後の行方

2019年10月10日に開かれた、電子カルテの標準化等を検討している厚生労働省の「医療等分野情報連携基盤検討会」では、今後の進め方について議論が行われました。

電子カルテをはじめとする保健医療情報システムのあるべき姿について、内閣官房の「標準的医療情報システムに関する検討会」で早々に固め、その方向に沿って、厚生労働省の「医療等分野情報連携基盤検討会」で議論し、2019年度予算をもとに創設される「医療情報化支援基金」の補助要件を定めていくとしています。

(大西 大輔)