スマホとネットに依存する社会

現在、世の中はスマホとネットが当たり前になり、お財布よりもスマホの方が忘れてはいけないアイテムになっています。スマホさえあれば、クラウドサービスを利用することで、ほとんどの生活が事足りる時代となりました。逆に、「スマホの電源が切れる」「ネットがつながらない」というだけで、あたふたする人を多く見ます。いかに世の中が、スマホとネットに依存しているかが分かる事例です。

医療はSNSより、いまだ文書とFAX

一方、医療の世界では、世の中の流れから大分遅れているように感じます。例えば、世の中がLINEやFBなどSNSでコミュニケーションを行っているのに対して、いまだ医療では文書とFAXが主流です。メールですらあまり使われていません。まして、SNSの流行はもう少し時間がかかりそうです。

クラウドタイプの電子カルテ普及の兆し

医療機関の基盤システムである電子カルテは、クラウドタイプのものが、2019年あたりからやっと流行の兆しが見られるようになりました。オンプレミス型電子カルテとクラウド型電子カルテというサーバの置き場所についての変化が見え始めたところです。一方で、利用する端末はパソコンが主流でスマホやタブレットはその補助といったところでしょうか。

セルフレジ、自動精算機、キャッシュレスの流れ

視点を受付に移すと、多くの業態で受付のヒトがどんどんコンピュータに変わっていっています。また、スーパーではレジが、ユーザー自らが操作するセルフレジへ、ホテルでは自動精算機が徐々に導入されています。人手不足から受付のオートメーション化の波が一気にやってきています。また、政府が消費税増税に合わせて打ち出したキャッシュレスについても、2021年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、一気に進みそうな様相です。

診療所では自動化はまだこれから

一方、診療所の受付は、いまだスタッフが日々忙しく業務をしています。受付で診察券と保険証を預かり、レジスターをたたいています。セルフレジや自動精算機は先進的な診療所で導入が始まりましたが、まだ普及には時間がかかりそうです。キャッシュレスについても、自費分野での導入が先で、保険分野は大分時間がかかりそうです。

医療分野においてICT化が遅れている理由

なぜ、これほどまでに医療分野ではICT化が他の業界に比べて遅れているのでしょうか。それは、「メインの顧客層が高齢者であること」や「取り扱う情報のセキュリティレベルが高いこと」、そして「人手不足などの影響が顕在化していなかったこと」にあります。ICT化が苦手であり、必要性が感じにくい業種であったのではないでしょうか。しかしながら、これからはそうは言ってもいられません。人手不足が深刻化し、患者もリテラシーが向上していき、他の業種並みのICT化が一気に進んでいくことが予想されます。いつかはICT化ではなく、いまこそICT化という感覚で取り組んで欲しいところです。

(MICTコンサルティング株式会社 大西 大輔)