2020年4月の診療報酬改定は少子高齢社会の影響から人手不足が深刻化しており、働き方改革とICTの活用に着目した改定内容となりました。そこで、今回は診療報酬改定におけるICT化の評価について2回に分けて解説します。

今改定のICT化の評価については、「業務の効率化に資するICTの利活用の推進」と「医療におけるICTの利活用」の2つの項目で評価されています。

ICTを活用した会議・カンファレンス

医療機関の業務効率化を進めるため、診療報酬の算定で求めている「会議の在り方」が見直されました。たとえば、院内の安全管理委員会について、「責任者が必ずしも対面でなくてよいと判断した場合においては、ICTを活用する等の対面によらない方法でも開催可能」とされました。

前回認められたカンファレンスのICTを介した参加については、「やむを得ない事情により」という条件が撤廃されました。ICTを介した退院時共同指導についても、「医療資源の少ない地域」という条件が撤廃されています。

企業ではWeb会議が当たり前の時代となり、移動にかかるコストと時間が削減されている実態を受けて、医療機関における会議やカンファレンスについても、ICTを活用して効率化を進めようとしています。

オンライン服薬指導の評価

2019年に改正された薬機法で、ICTを用いた服薬指導(オンライン服薬指導)が、対面による服薬指導の例外として認められることの早期実現が求められており、それを受けて「薬剤服用歴管理指導料 4 オンライン服薬指導を行った場合(43点)」と「在宅患者訪問薬剤管理指導料 在宅患者オンライン服薬指導料(57点)」が新設されました。

前者の外来の対象患者は、(1)オンライン診療の実施に伴い処方箋が交付された患者、(2)原則3月以内に薬剤服用歴管理指導料1又は2を算定した患者、のいずれも満たすものとされています。

後者の在宅の対象患者は、(1)訪問診療の実施に伴い処方箋が交付された患者、(2)保険薬局において在宅患者訪問薬剤管理指導料を月1回のみ算定している患者、のいずれも満たすものとされています。

また、サービス提供にかかるシステム利用料や医薬品の配送費などの費用については、「服薬指導を行う際の情報通信機器の運用に要する費用及び医薬品等を患者に配送する際に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として、社会通念上妥当な額の実費を別途徴収できる」と実費請求を認めています。

オンライン服薬指導はネット薬局を視野に

今回、オンライン服薬指導が認められたことで、オンラインで診療、服薬指導し、医薬品を患者宅に配送するという一連の流れの実現が可能になります。デジタルでの処方箋のやり取りも法的にはすでに認められており、今後出される通知次第では、一気にオンライン薬局につながる可能性があります。

前回のオンライン診療、今回のオンライン服薬指導で、いよいよ医療もオンライン社会に進むことが予想される改定内容となっています。

(MICTコンサルティング株式会社 大西 大輔)

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医療IT最前線 第94回 2020年診療報酬改定におけるICT化の評価(2)
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