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医療IT最前線 第94回 2020年診療報酬改定におけるICT化の評価(1)
https://carnas.njc.co.jp/ganmoku/a-053/

2018年に新設された「オンライン診療料」。様々な要件を用意することで、スモールスタートを選択したわけですが、2020年の改定では普及を目指して、様々な要件が緩和されています。

オンライン診療料の要件緩和

前回新設された「オンライン診療料」については、以下のような変更が行われました。
(1)事前の対面診療の期間を6月から3月に短縮。
(2)緊急時の対応についても、患者が速やかに受診可能な医療機関で対面診療を行えるよう、予め患者に受診可能な医療機関を説明した上で、診療計画に記載しておくこと。
(3)オンライン診療料の対象疾患に、定期的に通院が必要な慢性頭痛患者を追加。

一方、従来の遠隔医療の視点から、「へき地、医療資源が少ない地域に属する保険医療機関において、やむを得ない事情により、二次医療圏内の他の保険医療機関の医師が初診からオンライン診療を行う場合について、オンライン診療料が算定可能」と算定ケースが追加されています。

これらの要件緩和で、一気にオンライン診療が普及するとは言い難い内容ですが、一歩前進と言ったところでしょう。現在、日本で蔓延の兆しがある「新型コロナウイルス」の影響から、オンライン診療に注目が集まっており、さらなる緩和も期待できる状況となっています。

オンライン医学管理料の見直し

「オンライン医学管理料」については、医学管理等の通則から、個別の特定疾患療養管理料など医学管理料において、「情報通信機器を用いて行った場合の評価」として再編が行われています。オンライン医学管理料を独立した項目で評価するのではなく、あくまで従来の医学管理料の新しい評価と位置付けたことで、オンラインでの医学管理を一般化していこうとする考えがうかがえます。

オンライン在宅管理料の要件緩和

「オンライン在宅管理料」「精神科オンライン在宅管理料」については、事前の対面診療の期間を6月から3月に見直すとともに、連続する3月の算定に係る要件が撤廃されました。また、月1回の訪問診療から算「月1回以上の訪問診療」を行った場合と変更しています。さらには、「対面診療と同一医師が対応する」という要件も緩和され、医師が5人以下のチームで診療を行っている場合、一定の要件をクリアすれば「事前の対面診療を行っていない医師がオンライン診療による医学管理を行っても差し支えない」ことになりました。

外来に比べ在宅の方が、緩和レベルが高く、明らかに在宅でのオンライン診療の利用を期待していることが分かります。

ICTを活用した外来栄養食事指導

外来・在宅における栄養食事指導による継続的なフォローアップについて、ICTを活用した場合の評価が新設されました。「外来栄養食事指導料」における、2回目以降の栄養食事指導について、情報通信機器を用いて行う指導(180点)が新設されています。算定要件としては、「医師の指示に基づき当該保険医療機関の管理栄養士が電話又は情報通信機器等によって必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定できる」としています。今改定では、「栄養食事指導」が生活習慣病対策として有効であることから、この項目以外にも栄養士の活用が多く評価されています。

CTを用いたニコチン依存症管理料

禁煙を指導する「ニコチン依存症管理料」については、現在流行の加熱式たばこの喫煙者を対象に加えるとともに、対面診療とICTを用いた診療を組み合わせた診療を評価されることになりました。全5回の対面指導のうち、2回目から4回目はオンラインでの算定が可能となります。

オンライン診療の普及のためには、さらなる要件緩和と点数引き上げは必要なものの、患者は確実にオンラインでの診療を求めており、今回の新型コロナウイルスの影響などから、新たな診療スタイルとしてオンライン診療が認められることは時間の問題と言えるかもしれません。

(MICTコンサルティング株式会社 大西 大輔)

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